3.「教える」とは

はじめに 

 あるチェーンレストランでは、「教える」という言葉の定義について、厳しく指導がされていました。

 どういうこと???

 これは、日本語の問題でもありますが、私たちは日常生活において、「道(場所)を教えてください。」と言いますが、これは正確にいうと間違っています。

 その聞かれた返答として相手は「教える」のでなく、情報(道順)を「伝える」だけだと思います。ですから、私が正しい所へたどり着くかどうかは、わかりません。

「伝える」= 情報を相手に言うこと。

「教える」= 相手が理解し、できるようにすること。

  よく辞書には、学問・技能を「身につけさせる」という言葉が書いてあります。つまり、技能の場合は「できる」まで含まれています。

 

 冒頭にもどって、

私がいた業界では、部下を育てる話題の中で、次のような ダメ出しの言葉がよく飛びかっていました。「伝えただけじゃないの?」(教えてないでしょ?)

 つまり、現場において「教える」ということは、

1)道順を伝える 2)相手が正しい所に着くのを 確認する ことだと思います。上記の「道(場所)」の例だと、目的地までついていく ということになります。

 

 現場での技術(技能)習得を目指す場合、正しい所に着くのを確認するまでに何が必要でしょうか?

私は、大きい項目が二つあると考えています。

技術を習得してもらうには 相手が、

その作業・業務の全体像を知る → ( ➊ ) →( ❷  )→ できる  のようになる必要があります。

➊ は、「ステップ(階段)がわかる」です。作業・業務の性質にもよりますが、これが一番大切でしょう。

ゴールとそこまでのステップ(階段)が、ハッキリ見えている、わかっている状態です。これには1歩目、2歩目などの優先順位も関係してきます。

スキーの技術習得などは、(ボーゲン→斜滑降→パラレル)といった具合に、とても段階的でそのステップが分かりやすい好例でしょう。

 このステップを文書化したもの(ルールなども含まれます)が「マニュアル」です(私は、好きになれない言葉ですが)。そして、それを具体的に一つの商品(飲食店なら一つの料理)においての作業のやり方を説明したものにすると、「手順書」と言ったりします。

❷ は、もちろん「繰り返す」です。 2回以上ということになります。

野球選手なら、素振りでしょうか。1日、2000回?

そして、教わる人が「できる」まで「ついていきます」。

 これを体系化したものが「トレーニング」です。そもそも training (トレーニング)という言葉には、「繰り返す」という意味が含まれています。

  

 以下が、一般的な「トレーニング」の手順かと思います。

                 

1)見本を見せる 2)やってもらう 3)フィードバック 4) 2と3を 繰り返す

 フィードバックとは、相手の行動に対して、「相手の成長のために」評価改善点を提示することです。提示する というのは、そこに感情が入っていないということです。

 

 

   

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