教える ❷ 「ステップ(階段)」

トレーニング

 いきなり、本題に行きたいと思います(笑)。

 「教える」とは でも、言いましたが、教える上で、一番大切なことは、教わる人に「ステップ(階段)」を理解してもらうことです。スキーの例が、私は一番、分かりやすいと思います(やらない人、ごめんなさい)。つまり、「止まる曲がる(ボーゲン)から、その上の段階が、止まる曲がる」から、「斜滑降」を足して =「パラレル」というステップです。

 そして、私はマニュアルを使え!とか 言っているわけでは ありません。それは、あくまで、「形」だけの話だからです。そんなことより、教える側の思考姿勢(心的態度)のほうが、ずっと大切で基本的な事柄です。

 マニュアルがなくても、あるいは使っていなくても、立派な新人トレーニングは可能です。スキーの例で言うと、「まずは、止まることが大切だよ。なぜなら・・・」と説明できれば良いわけです。でも、マニュアルを使った方が、教える側にとって楽 なのは、間違いありません。

 というのも、教える人の頭の中では、「どうやって覚えたか」が消えかかっていたり、教えることに慣れていなかったりして、言語化するのが、大変だからです。

 そして、教える人の特徴として、

 全体像(流れ・マクロ)が見えていて得意  細部(ミクロ)が苦手 ということが、ありがちです。当たり前ですね、仕事に慣れるにつれ、全体がよく見えてきます。しかし、教わる人にとって必要なのは、どちらでしょうか。そうです、まずは、ひとつの作業・業務(細部・ミクロ)であるわけです。 

 教える人は A+B+C=Dを ただの Dと認識している可能性があります。

  では、少し戻って、教える人に どんな思考 や 姿勢が必要なのでしょうか?

【どんな思考】

 作業・業務を考えた上で、教わる人にとっての覚えるべき優先順位を自身の経験から思い出したり、考えたりして、その人と同じ立場に立つことが必要になります。そして、最初の数段(1段目から3段目?)までのステップ(階段)を自分の中で明確にすること。何度も言いますが、これが一番大切だと思います。そして、そのあと「教わる人(トレーニー)」に分かりやすく提示すること。1段目はこう説明して、2段目は・・・といった具合です。何かに書いたり誰かに相談したりした方が、より自分の頭の中が整理されると思います。

 「1番基本的な Aをまず、やります。その後、Bをやると、Cが少しわかると思います。その後、Cをやりましょう。」といった感じです。ステップを明確にすることは「作業・業務の分解」と言い換えることもできます。

 A+B+C=Dを D ではなくて A+B+Cに 分解してみましょう ということです。そして、教える時は、その思考でやるということです。

 また、トレーナー(教える人)の頭の中に この「作業・業務の分解」という考え方がないと、たとえマニュアルを使って教えていても、その時に、関係のないこと( CではなくC’ )を伝えたりして、トレーニー(教わる人)を混乱させる可能性もあります。

 そして、「作業・業務の分解」と相反することですが、もう一つ 大切な「流れ」というものもありますね(これは次回)。 

 

【どんな姿勢】

 客観的! これにつきます。客観的で感情的にならないことに徹する姿勢です。私たちは、人間ですから当然、上手くいかない(伝わらない)状況に対して、イライラしたり、怒りを覚えたりします。しかし、怒りは百害あって一利なし です。「怒り」については、これも、また別の項でやりたいと思います。

⇒ 教える ❸

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